ショートショートを書いてみたよ

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小説タイトル:利用するもの

地球が一つになることは、誰もが望んでいたが、実現することはなかった。しかし、ある日、巨大な宇宙船が空に現れ、すべてが変わった。その技術的な差に圧倒され、地球人は戦うことを諦めた。

「我々は戦いを望んでいない。ただ、あなたたちの文化活動としての戦争が非常に興味深い。」

国連の緊急会議室に集まった各国の代表たちは、地球人そっくりな宇宙人の言葉に首をかしげた。戦争が文化活動?誰がそんなことを言ったのだろう。

「地球の放送を観察してきた。多くの国がその”伝統”を維持している。非常に興味深い。」

「戦争は文化ではない。それは生き残りをかけた苦痛であり、悲劇だ。」代表Aが反論した。

「やはり興味深い。なぜ続ける?」

「不安と恐れ、そして力の欲望からだ。しかし、本当に望むのは平和だ。」代表Bが答えた。

「では、提案がある。全ての武器をこちらに渡せば、私たちの技術でそれを全て消去しよう。それにより、あなたたちの平和は保証される。生き残るために”平和”が宇宙では当たり前のことだ。」

提案はあまりにも簡単で、完璧すぎた。疑う余地もなく、地球は一つになる最後のチャンスを手に入れた。

数ヶ月後、地球の武器はすべて迅速に宇宙人に委ねられた。

「計画通りだ。これで地球の武器は全て手に入れた。次はこれを売りさばくだけだ。」

その宇宙人が実は地球の秘密組織の一員であったのだ。

彼らのボスは元々発明家で、巨大な映像を空に投影する技術を開発した。特許を取らずにもっと儲ける策を実行したのだ。ありったけの資金を投じて、リアルな宇宙船を大空いっぱいに投影し、地球人を欺いていた。

計画は完璧に思えた。人々を騙すには、驚きと大胆さが必要であり、大きな嘘を突き通すことが肝心だった。

組織のボスは、この成功に満足していたが、彼らの計画には予想外の結果が待ち受けていた。

武器を全て失った地球は驚くほど迅速に平和が訪れ、武器の需要が激減し、売りさばくことができなかった。組織は大損害を被り、多額の負債を抱えることになった。

さらに数ヶ月後、この一連の出来事が地球の秘密組織による壮大な詐欺だったことが明らかになる。国連はこの事件を受け、彼らが偽の宇宙人であることを公表しつつ、地球の武器がなくなったことで平和が訪れたと発表した。

秘密組織は結局、財を成すことはできなかったが、彼らの行動が意図せず地球の平和を加速させたことで、彼らは平和をもたらした英雄としても評価されることとなった。

地球を救った英雄として歴史に名を刻んだのだ。

英雄とは、時に意図せずして生まれる。英雄たちが追い求めたものが何であれ、その影響が世界に及ぼす結果は計り知れない。

地球人は平和のために英雄を利用することを学んだのだ。

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