S線上のアミ様 #001

 

S線のいつものホーム。

通勤電車が入ってくる。今朝は遅延はないみたいだ。

 

ホームドアが開き、皆がズイズイと小さく前に押し寄せる。ちんたらした前のおっさんと、目の色変えて席に座り込むおばはんのせいで、前の方に並んでいたのに座れなかった。

 

まぁツイテないなんて思うほどのことでもないか・・。

それぞれ老いも若きも、死んだ魚の眼をした人間を大量に乗せた鉄のコンテナは、今朝も地獄へ向かって走り出すのだ。

それにしても後ろの高校球児のバッグがデカくて邪魔すぎる。

 

「よし!」

前方をピッと指さして、車掌をしている友人Tの声が聞こえる。

いつ以来だろうか、やってるな。

話には聞いていたが、前にたまたま通勤で乗る電車で車掌姿を見た。

あんないい加減なやつが車掌なんてと最初は思ったが、小学生からの友人が制服を着て張り切る姿がちょっぴり誇らしく、なんやかんやちょっぴり羨ましい。子供の頃の夢ってやつを叶えたんだろうか。

まぁ人は人、比べたところでしょーもない。なんか色々大変だろうし。

 

俺はいつも決まった電車に乗って、今日も我慢だけの職場へ行くだけさ。

 

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